子どもの歯列矯正は、将来の口腔健康や美しい笑顔を守るために重要な治療です。歯並びの改善だけでなく、噛み合わせや顎の発育にも影響を与えます。この記事では、我が家の実例を交えて、子どもの歯列矯正にかかる費用と治療の全体像をわかりやすく解説します。
子どもの歯列矯正の基礎知識
歯列矯正治療は、歯並びや噛み合わせを改善するための治療です。一般的に、ブラケットやマウスピースなどの装置を使って歯を移動させます。子どもの歯列矯正には、早期治療(Ⅰ期治療)と永久歯列期の治療(Ⅱ期治療)の2つの段階があります。
早期治療(Ⅰ期治療)について
早期治療は、子どもが歯が生えそろう前の段階で行われる治療です。主に7〜9歳の間に行われることが多いです。この時期に治療をすることで、将来的な歯並びの問題を予防したり、治療の効果を高めたりすることができます。
早期治療では、主に顎の成長をコントロールすることが目的です。子どもの成長段階では、顎の骨が柔らかく、成長に伴って形成されるため、この時期に適切な治療を行うことで、将来の歯並びの問題を予防できる可能性が高まります。例えば、上顎が狭い場合には、顎の成長を促進させる装置を用いて拡大する治療を行います。
永久歯列期の治療(Ⅱ期治療)について
永久歯列期の治療は、永久歯が生えそろった後に行われる治療です。主に中学生以上の子どもを対象にします。この治療では、より具体的な歯並びや噛み合わせの問題に対処し、理想的な口腔状態を目指します。
永久歯列期の治療では、主にブラケットやマウスピースなどの装置を用いて、歯を移動させることで歯並びを整えます。治療期間は個人差がありますが、平均的には1〜3年程度かかることが一般的です。
子どもの矯正にかかる費用・長女の歯列矯正費用
子どもの歯列矯正にかかる費用は、治療の種類や期間、症状の重さなどによって異なります。一般的に、早期治療の費用は、約10万円から50万円程度です。永久歯列期の治療では、30万円から100万円以上かかることもあります。
費用は主に治療の種類や装置の種類、治療期間によって決まります。たとえば、ブラケットを使った治療では、装置の種類によって費用が異なります。一方で、マウスピースを使った治療は比較的費用が低い傾向があります。
長女の場合 2022年8月(小3)~
初回相談料 1,100円
検査料 33,000円
診断料 44,000円
契約料金 330,000円
調整料 2022年10月~ワイヤー矯正 5,500円/回×4回
2023年5月(小4)~マウスピース矯正 3,300円/回×5回~(現在治療進行中)
合計446,600円~(現在治療進行中)
保険適用と費用を抑える方法
矯正歯科治療は、公的健康保険対象外の自費診療(自由診療)となります。ただし、顎変形症や特定の先天性疾患に伴う矯正治療の場合は健康保険が適用されます。
また、医療費控除や高額療養費制度を活用することで、費用を抑えることができます。しかし、保険の適用範囲や制度の詳細は、歯科医と相談することが必要です。
歯列矯正治療の費用を抑える方法として、保険適用や制度の活用があります。国民健康保険や私費の保険に加入している場合、一部の矯正治療が保険でカバーされることがあります。また、医療費控除や高額療養費制度を利用することで、治療費の一部を節約できます。
子どもたちが通っている歯列矯正では、子供の歯列矯正治療は医療費控除を利用できると言われました。確定申告することで、税金の一部が還付されるので家計にとって大きな助けになります。
子どもの矯正治療の流れ・我が家の実例
子どもの矯正治療は、初診から治療終了までの流れがあります。まず、初診で歯並びや噛み合わせの問題を診断し、治療計画を立てます。その後、矯正装置を装着して治療を開始し、定期的に歯科医を訪れて経過を確認します。
治療の流れは以下のようになります
- 初診と診断: 子どもが歯科医を訪れると、まずは口腔内の検査が行われます。歯の生え方や歯並び、顎の関係などが詳細に診断されます。その後、問題や治療の必要性について説明が行われます。
長女の場合 2022年8月(小3)
次女の場合 2024年4月(小3) - 治療計画の立案: 問題が確認されたら、治療計画が立案されます。この段階では、治療の種類や期間、予想される費用などが説明されます。また、保険適用の可能性や費用の支払い方法についても話し合われます。
長女の場合 2022年8月
次女の場合 2024年6月 - 装置の装着: 治療計画が決まったら、矯正装置が取り付けられます。ブラケットやワイヤーを使った装置を装着する場合、歯に装置を取り付ける作業が行われます。マウスピースを使った治療の場合、型を取るなどの手続きがあります。
長女の場合 2022年10月(ワイヤー装着)
次女の場合 2024年6月(予定) - 定期的な通院: 治療が始まると、定期的に歯科医を訪れる必要があります。通常は4〜6週間ごとに通院し、歯の状態や治療の進捗を確認します。歯科医は必要に応じて装置の調整や修正を行います。
長女の場合 ワイヤーが入っているときは調整のため月1回通院 5500円/回
マウスピースの時は3か月に1回通院 3300円/回 - 治療の終了: 治療期間が終了すると、装置が取り外されます。歯並びや噛み合わせが改善され、理想的な口腔状態が得られた場合、治療は終了となります。その後は定期的なメンテナンスやリテーナーの着用などが指示される場合があります。
子どもの矯正治療のメリット・デメリット
子どもの歯列矯正治療には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット:
- 口腔健康の維持: 正しい歯並びや噛み合わせは、将来の口腔健康を維持するために重要です。歯列矯正治療によって、虫歯や歯周病などのリスクを低減できます。
- 美しい笑顔: 正しい歯並びは美しい笑顔を作り出すのに役立ちます。自信を持って笑顔を見せることができるようになります。
- 咀嚼機能の改善: 正しい咬合や噛み合わせは、咀嚼機能を改善し、食事を楽しむことができるようになります。
デメリット:
- 時間と費用の負担: 歯列矯正治療には時間と費用がかかります。治療期間が1年以上に及ぶ場合もあり、定期的な通院が必要です。
- 装置のメンテナンス: ブラケットやワイヤーを使った治療では、装置のメンテナンスが必要です。食事の際には注意が必要であり、歯磨きや清掃も丁寧に行う必要があります。
子どもの歯並びに矯正が必要な症例と不要な症例
子どもの歯並びに矯正が必要な症例には、以下のようなものがあります。
- 出っ歯: 上顎前方に突き出た歯の状態。
- 受け口: 下顎が上顎より前に出ている状態。
- 噛み合わせの異常: 上下の歯が正しく噛み合っていない状態。
一方、以下のような症例では、成長と共に問題が解消される場合があり、矯正治療は必要ありません。
- 一時的な歯並びの乱れ: 一時的な歯並びの乱れであり、成長に伴って自然に改善する場合。
- 一部の軽度な歯並びの乱れ: 歯並びの乱れが軽度であり、健康や機能に大きな影響を与えない場合。
矯正治療を始める適切な時期
子どもの矯正治療を始める適切な時期は、個人の歯の生え方や口腔の発育によって異なります。しかし、一般的には、歯が生えそろった後の早い段階から治療を始めることが推奨されます。
早期治療を行うことで、成長期の歯や顎の発育を利用して問題を解決することができます。通常、7歳から9歳の間に早期治療を開始することが一般的です。この時期は子供の歯と顎がまだ成長しているため、歯列矯正がより効果的に行えるのです。
子どもたちが通っている歯列矯正の先生には、上下の前歯が計8本永久歯に生え変わったら相談に来てくださいと言われました。
一方、永久歯列期の治療は、主に永久歯が生えそろった後の段階で行われます。永久歯が生えそろうのは一般的に10歳以上です。この時期には歯がすでに生えそろっており、成長が緩やかなため、より具体的な歯並びや噛み合わせの問題に対処することが可能です。
適切な時期に治療を行うことで、治療期間が短縮されたり、治療の効果が最大限に引き出されたりします。また、早期に治療を開始することで、将来の歯や口腔の健康を維持することができます。
矯正装置と治療方法
当院では、患者様の個々の症状や希望に合わせて、さまざまな矯正装置や治療方法を提供しています。具体的な装置や治療方法は、以下のようなものがあります。
- ブラケット矯正: 歯に取り付けられたブラケットとワイヤーを使って歯を移動させる方法です。金属ブラケットやセラミックブラケットなど、さまざまな種類のブラケットがあります。
- マウスピース矯正: カスタムメイドのマウスピースを使って歯を移動させる方法です。透明で装着感が軽減され、外見的に目立ちにくいのが特徴です。
どの装置や治療方法が最適かは、歯科医との相談によって決定されます。患者さんの希望やライフスタイル、治療の必要性などを考慮した上で、最適な治療プランが提案されます。
まとめ
子どもの歯列矯正治療は、将来の口腔健康や美しい笑顔を守るために重要な治療です。早期治療と永久歯列期の治療の両方があり、それぞれ異なる目的や時期に行われます。治療には時間と費用がかかる場合もありますが、適切な時期に治療を開始することで、より効果的な結果が期待できます。
お子さんの歯列矯正は医療費控除ができる場合もありますので、ぜひ確認してみてください。